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レッドカード発動。メイド自ら国外追放を選択する


翌日の朝。

気がついたら妻と娘はいつの間にか居なかった。
まどろんでいたら、妻がリビングから戻ってきて
私に声を掛けてきてくれた。

「あれ?朝?今日はどうなの?気が変わった?」

「うーん、朝のお弁当は一緒に作ってくれて
 助かったんだけど、一睡もしてないんだって。」

「・・え?うーん。」

「一緒に送ってくれたし、いってらっしゃいって
 ゆうりに声を掛けてもくれたんだけど、
 でも目の下にクマが出来てるとか言うの。」

「だーもう、全然ダメじゃん。」

起きて顔を洗って、ちょっと気合を入れて
リビングに戻るとメイドさんは私達に
朝ごはんを作ってくれた。

ハムエッグ、美味いんだけど。

で、片付けが終わった頃に、
もう一度話しをしようと声を掛ける。
気持ち変わってない?ワンチャンないの?

さすがに部屋の工事はできないけど、
掃除道具とかを片付けて、もうちょっと
スペースを確保することはできるかも。

私達の居住スペースはちょっと狭くなるけど、
そのぐらいの譲歩はしてあげられるかも。

その話しを最後にして、それでもダメなら
エージェントオフィスで交渉をすることになる。

「君は、仕事の面では問題ない。」

私はそう言った。

たった半日だったけど、
買い物に付き合ってもらったり、
食事を作ってもらったりしたのが
妻には本当にやすらぎの時間だったようだ。

いつもは娘の宿題をゆっくりも見てあげられず、
カリカリして当たってたこともあったのに
「ママ今日はどうして優しいの?」と言われたらしい。

よく気がつくんだけどなあ。
惜しい気持ちもあって、私は最大限の
譲歩を彼女に打診してみた。

「ベッドがいらないならマットレスにするし、
 部屋の近くにある掃除道具は別の場所に移すから、
 どうだろう、しばらく続けてみない?」

「ムリです、私は眠れなかったんです。」

こんな話しが続いたので、私は観念して
もう一段階、踏み込んだ。

昨日聞いた2つ目の選択肢だ。
いわゆる、イエローカード的なやつ。

「あのさ、新しい人が見つかる前に
 私がVISAをストップするかもしれないんだよ?
 そしたら君は次の雇用主を見つけなきゃ
 国に帰らなきゃいけなくなるんだよ?」

「はい、それで良いです。」

マジか。。じゃあもうしょうがないか。
もーめんどくさーい!

「わかった、じゃあオフィス行こう。」

「荷物の準備してもいいですか?」

「いやダメだ、まだ置いといて。」

結局メイドさんというのはキャバクラで
チェンジするほど簡単なものではなく、
エージェントはただの取り次ぎで、
身柄は雇用主が保証しなきゃいけない。

いずれにせよ相談の段階で
荷物まとめて宙ぶらりんにでもなって
行方不明にでもなったら本当に困る。

だから、荷物はとりあえず置いてくれと言った。

タクシーに乗ってエージェントのオフィスへ。
既に前日送ったメールは見てくれてたらしく、
あちらでは大騒ぎになっていた。

エージェントがなんとか説得しようとする。

「ちょっと部屋が狭いってどういうことよ!」
「だって私はあそこじゃ暮らせないんです。」

そういって自分で撮った写真を見せる。
いつの間に撮られたんだ・・。

「こんなの普通よ!あなたここがムリなら
 どこにも雇ってもらえないわよ!」

そうだよね。そりゃ確かにメイド部屋は狭いけど、
みんなそれ以上の待遇はできないよねえ。。

私がここでの習慣から逸脱してたのかと思って
少し心配してたけど、エージェントさん達が
そう言ってくれたので、ちょっと安心した。

「だからあなた残るべきよ!」
「そうよ、そんなの聞いたことないわよ!」

エージェント達が必死で説得してる。

「どうですか?もし戻ると言ったら。」
「まあ彼女にモチベーションがあるなら。」
「どうなの?ノーラ?」
「できません!」

えー?

みんなが目を丸くしてる。
そしたら次はエージェントにトンデモナイこと言われた。

「この調子じゃ次が見つからないわね。
 チケット買って送り返す?」

えーそれを言ったら、みんなが泣き出して
懇願するほどの威力のヤツー!!

泣き出すかと思ったら、メイドさんの答えはこうだった。

「はい、それでいいです。」

えー!!レッドカード一発退場を自ら選択!?
もう戦う気力全くゼロおおお(゜Σ゜)

な・・。まあもうそれならしょうがないわ。
チケット代は雇用主が払わなきゃいけないけど、
本人が帰りたいならそうするしかないか。

荷物まとめて出てってもらうか。
さんざんだったな。。

それで、オフィスから出て自宅に戻り、
荷物をまとめてもらってまたオフィスへ。

その間、ぜーんぜん仕事ができず。
丸2日間、潰れてしまいました。

関係者各位、すいません。
そんなこんなでお返事滞っていますなう。

鉄の意志をお持ちのようだったので、
私ももう完全に諦めて、清々しくなった。

今回は失敗だったな。
次また頑張ろ。

そこからまた一度引き返して荷物を取りに行き、
所持品チェックをした後また荷物をまとめて、
もう一度またエージェントオフィスに向かった。

ラッキープラザは入り口が中2階になっていて、
階段を10段ほど上って2階に行くか、
下りてB1階に行かなきゃエレベーターに乗れない。

タクシーから降りて巨大な
スーツケースを持ってメイドさんは
ラッキープラザのオフィス前の階段を
ヨタヨタと降りようとしてた。

吹っ切れてた私はもう去勢を張ることもなく、
スッと手を出して手伝ってあげた。

おいら最近、鍛えてるもんね。

そして、苦笑い。
何やってんだオレ。

とりあえず一時的にエージェントに身柄を渡し、
VISAについては翌日どうするか、ボスに確認して
連絡をくれるということで、返事待ちとなった。

帰り際、二往復もしたラッキープラザの
自動扉をくぐり抜けたら
妻が突然、腕を組んできた。

「最後、優しかったね。」

どうやらメイドさんのスーツケースを
持ってあげたことを言ってるらしい。

「あー、まあもう終わったしね。」
「ゆうちゃんの、そういうトコ好き!」

なぜか愛が深まってしまった。。
オンナは分からん。

一からやり直しだなあと。
歩きながら、そんなこと考えてた。


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エグゼクティブクラブ代表の吉田です。 エグゼクティブクラブは9年に及ぶ実績を元に多数の成功者を輩出し、 14,000件以上に及ぶメール相談実績、2,700有余名以上の歴代会員サポート実績、 マニュアル・コンテンツ総数3300ページ以上、10名以上の講師陣によるサポート体制、 業界最大級の海外販売・個人輸出の会として、 あなたに的確なアドバイスをさせていただきます。
1年 ago by in ビジネスマインド. You can follow any responses to this entry through the | RSS feed. You can leave a response, or trackback from your own site.

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