行き過ぎた円安に懸念を表明する本当の理由とは?


「行き過ぎた円安に懸念」

急速に円安が進行するとこういう声が聞こえます。
外貨を稼ぐのは個人でも中小企業でも出来る時代だし、
円安=大企業優遇、ではないということは
私の記事を読んでくれた人は理解出来たはずです。

円安になれば輸出ビジネスを行っている人は
大きな恩恵を受けています。

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ではなぜ、行き過ぎた円安は良くないのでしょうか。
中小企業(輸入)の倒産や原油高、原材料高を
もたらすからでしょうか?いえそれだけじゃないです。

市場には急ピッチな円売りに警戒感もにじんできた。
円安が進めば輸入物価の上昇を通じて家計や
輸入企業を圧迫する負の側面が出てくる。
衆院選では野党が行き過ぎた円安を批判するなど
為替相場が争点の一つとなっている。

円、下値を探る展開に 120円は「通過点」の声も
www.nikkei.com…

このような記事がこれから
また増えてくることでしょう。

輸出企業にとっての「行き過ぎた円安」を
体感ベースでお話させていただきますね。

私が海外販売を始めた頃は1ドルが
123円だったので急激に円高が進行した後、
始めた頃の水準に戻りつつあります。

まったくの個人から始めたビジネスも、
時を経て会社という形になって分かったことがあります。

急激に円高が進行した頃、具体的に1ドル
90円を上回った頃に、続々と富裕層が
海外移住を始めるという出来事がありました。

富の流出、ということで一時期の
トレンドにもなりましたね。

円高になると、飛行機代や宿泊、買い物など
海外のあらゆるものが安く見えます。

これが仕入れベースになると
「私はショッピングクイーンよ!」ばりに海外で
大量買付して日本で売っても相当利益が出ますよね。

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お金持ちの人なら日本円を外貨に替えるだけで
多額の為替差益が生まれることになります。
だったらそのまま移住しちゃおうかとなるわけです。

私のような輸出企業の場合は、
海外の人件費の方が安く目に映るので
oDeskなどの海外SOHOを活用して
オペレーション(事務対応等)を
お任せしようという流れになります。

それでも、輸入ビジネスをやろうと
思ったことはありません。

京セラの稲盛経営12ヶ条にもこうあります。

売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
入るを量って、出ずるを制する。
利益を追うのではない。利益は後からついてくる。

www.kyocera.co.jp/inamori/management/twelve.html…

為替差益が出ない時、つまり売上が伸びない時は
経費を最小限にすることで利益を捻出できるということ。

そうやって創意工夫で乗り切った
輸出企業は多かったことでしょう。

さて、こうやって捻出した会社の利益は
「内部留保」と呼ばれ、これが厚みを増すと
企業の経営体力の指標となります。

売上がゼロ、もしくはマイナスになっても
内部留保(貯金)を切り崩せば1年継続できる。
この内部留保を如何に積み上げるかが
私にとっての大事な指標でした。

これが円安に反転して為替相場が戻りだすと、
外貨ベースで貯めていた内部留保を
国内に戻そうかという動きが加速します。

内部留保と言っても、工場の場合は
現地生産をしていたり、事務やシステム開発の
拠点として機能している場合もあるので
そこを閉じて国内に戻そうと考えるわけです。

一種のキャピタルゲイン(売却益)に
近いものがありますよね。
既に始めている企業も多いです。

ところが円安が「行き過ぎる」とどうなるでしょうか。

実は円安が行き過ぎると、海外工場を閉鎖して
日本で工場を新設しようと思わなくなります。

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だって、もし海外の工場で円高でも利益が出てたなら
いま閉鎖するよりも、もっと円安になってから
閉鎖したほうが差益がもっと増えるから。

そういう思惑から、実は「円高」と「急激な円安」は
国富が海外に逃げていく要因になるわけですね。
つまり税収が減るということです。

だから財務相などが行き過ぎた円安について
懸念表明を出したりするんですよね。
中小企業の倒産を心配してのことではないです。

もう1つ、サプライチェーンの問題がありますね。
例えば海外販売をするのでも
仕入れ→写真撮影→出品→事務対応→落札→発送など
長い数珠つなぎの仕事が発生しています。

自動車生産で言えば、例えばアメリカで
日本車を売ろうと考えると、
日本で生産してアメリカに車が到着するのに
3ヶ月以上かかってしまうと、それだけで
お客様を待たせることになります。

アメリカで作ってアメリカの顧客に届けるなら
そのスパンは非常に短くなるでしょう。

顧客に一番近い場所に拠点を置いて
サプライチェーン(長い鎖)を短くするのが
ビジネスの王道だったりします。

現地で生産し、現地雇用をして現地で販売すると
内部留保も現地で貯めておくことができます。
いつまで経っても日本に帰ってこなくなります。

私の場合は各国のビジネスの売上や利益を
把握する本拠地を日本に置いています。

この中枢で数字の管理や様々なミーティング、
ビジネスのまとめを行っているんですが、
これらの機能を移転するのは非常に簡単です。

各国が法人税の引き下げ競争を行っている中、
日本だけが法人税を上げれば、すぐに
本拠地も海外の何処かの部門に
くっつけてしまうでしょう。

そうすると、もはや日本企業では
なくなってしまいます。

行き過ぎた円安の究極はハイパーインフレだけど、
ここまで行きそうだと感じたら、
逆に日本企業の海外流出は加速して、
ハイパーインフレが一段落つきそうな頃に
ようやく日本企業が戻ってくることになります。

つまり、ハイパーインフレで税収が必要で
一番辛い時期にみんなが逃げ出します。

国内に残ってる人たちの努力でようやく
危機を脱した頃に戻ってくることになる。

それが分かっているので、為替相場というのは
少しずつ時間を掛けて動いていくものなんです。

ビジネスを現場で知る。

為替相場に頼らず利益を生み出す体質を持ち、
為替にならって戦略を変更できる仕組みを持つ。

この2つが、海外販売で成功する秘訣ですね。


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エグゼクティブクラブ代表の吉田です。 エグゼクティブクラブは9年に及ぶ実績を元に多数の成功者を輩出し、 14,000件以上に及ぶメール相談実績、2,700有余名以上の歴代会員サポート実績、 マニュアル・コンテンツ総数3300ページ以上、10名以上の講師陣によるサポート体制、 業界最大級の海外販売・個人輸出の会として、 あなたに的確なアドバイスをさせていただきます。

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