吉田:最初はだから。
山本:シード。
吉田:シードで幾らとか。
山本:500万から1,000万ぐらいだと思いますけどね。
吉田:で、シリーズAに。
山本:シリーズAに行くと。
吉田:「行く」っていうのは、どういうふうに行くんですか。
山本:それは、指標みたいなのが。シリコンバレーが、結構指標があるんですけど、何か。
吉田:まずは、ごめんなさい、まずシードの所で。
山本:(笑)。
吉田:いいっすか。いいっすか。シードの所で、アイディアじゃないですか。まだ何もできてない段階で。それを要するに、「このアイディアはどうですか」って、例えば山本さんとかに言うわけじゃないですか。「こんなん、こんなんどうっすか」って言って、自分の頭ん中でがーんと盛り上がっているんだけど、山本さんらが見たら「いや、そんなんじゃねえ」みたいな。
山本:大学生レベルですね。
吉田:うん(笑)。
山本:(笑)。
吉田:いや、でもそのまま突っ走ったらやばいことになりますもんね。
山本:突っ走る方が多いんですよね。
吉田:多いよね。で、そう。そうなんで、結局、何物にもならずに終わっちゃうって。だから、よくあるのが、ニーズがないとかいろんなことがありますけど。山本さんだったら、もう本当によくご存じのとおりで。
だからそういうのをまずやり切って、全財産使い切ってヘロヘロになる前に、スパーリングでシミュレーションの段階で。
山本:そうですね。
吉田:たたき台をどんどん、アイディアを、それができるのかできないのかっていうのをやり合ってくれると。
山本:そうですね。いきなり戦場に行くんじゃなくて、事前に練習して。そこから行くとやっぱり勝率が上がりますよね。
吉田:それをガーッともんでもらって。それってすーごい貴重なものだと思うんですけど。
その中から、じゃあ金の卵の案件が出ましたと。これはスケールするでしょうと。それは本当にスケールするかどうかは分かんない。それは情熱の部分もあるし、プロダクトの物もあるし、時代もあるし。
山本:そうです。
吉田:ねえ。
山本:はい。
吉田:それが見つかりました、そこまで見ていただいて。それがじゃあシードで出しました。で、本当に投資を受けられちゃいましたと。
山本:受ける・・・500万とか1,000万って、一瞬だと思いますよ。やる気があって、ちゃんとビジネスのプレゼンができていれば。だって、何十億っていうお金の中からの500万とかなんで。例えば、1万円の中で100円みたいなもんですよ。「まあ、100円ぐらい出したろか」みたいな。失敗しても100円がもしかしたらね、1,000倍とかになるんで。
吉田:いや、おっしゃるとおりでね。僕自身もこの話しながらなんですけど、僕もそのぐらいだったら出資してもいいかなって思うんですよね。100とか500とか1,000ぐらいだったら。それで利益を出してくれて、それがうちのビジネスとの相乗効果も得られるんで。出資してれば「ありがとう」って言ってもらえますから。それだったら出してもいいかなって思うぐらいの金額なんですね、僕らからすれば。
山本:はい。
吉田:だけれども、最初のスタートアップに関しては、やっぱりすごいその辺のところって受け取れたらびっくりすると思うんですよね。
山本:だから、みんなVCからの契約書で500万円もらえるっていうんだったらそのままサインしちゃうんです。
吉田:そうかあ。
山本:だめ。
吉田:そうかあ。そこを見るんですか。
山本:もう完全にがんじがらめですよ、鎖で。
吉田:そうかあ。
山本:それが向こうも分かってるから。日本のVCが今まだよくないところは、そういうとこで足元を見てるんですね。みんなが未熟なんですよ。
吉田:うん。
山本:僕らはネットワーク、自由な網をやってきてますから。弁護士ネットワークからすぐにこれにリーチできて。僕らはシリーズAスタートなんですね、3億円とかなんで。で、そんときに。
吉田:スタートでシリーズAなんですね。
山本:そう、それはもう。
吉田:だってもう、シードがないから。
山本:シードじゃないし、ユーザーがこれぐらいついて、これぐらいの売り上げがあって、これぐらいの伸びっていうのがあれば、シリーズAっていう基準があるんですけど。シリーズAに当たって、シリーズAからそういうふうにやっぱりVCは最初、向こうもお金出すんだからって言って絶対強めの契約書を出してくるんですよ。
吉田:そこまで自己資金でやってこれたから、最初にシリーズAからってことなんですね。
山本:自己資金でやってきつつ、サービス網もそれで育っていったから。僕たちがチャットワークを始めた頃だったらシードですよね。
吉田:だから、チャットワークのレベルじゃないと投資を受けられないっていうと、そうでもないってことですよね。
山本:全然ないです。
吉田:全然ないってことですね、だから。
山本:だからもう、プロダクトがなくても、資金入れるんで。
吉田:ってことですよね。
山本:ただ、その代わり額はもちろん少ないし、時価総額的なバリュエーションも低いんで、持ってかれるパーセンテージは低い。お金の割にはちょっと多いかもしれないですけど。でも、最初ゼロからスタートしたら別にそれはそれで。
吉田:行けるってことなんだ、へえ。
山本:いいじゃないですか。僕らは14年やってきたんで、14年やってきたのにいきなりシードでたくさん持ってかれたら、俺たちの14年は何なんだって話になるので。
吉田:そうですね。
山本:耐えて耐えて耐えて、シリーズAで行ったと。1発めの資金調達の額は3億円って低いですけども結構いい条件なんですよ。
吉田:だから、必ずしもチャットワークレベルのプロダクトじゃないと、投資を受けられないから。
山本:全然ないです。
吉田:っていうふうに思ったら、もっと手前の段階から設計してやることも全然できるってことですよね。
山本:僕らは、逆にレアケースですね。
吉田:ああ、遅く。
山本:そんなところからスタートして、いきなりVCどこに声かけても「入れたい」って言われるような状態っていうのはありえない、基本的には。超レアケースだと思います。
吉田:そうかそうかそうか。
山本:14年かかってますから。
吉田:うーん、なるほど。
山本:今からゼロからスタートとか、一からスタートするとかであればシードで。今なんかもう、恵まれすぎてますね。
吉田:そうか。だから、もし14年前に戻って今と同じ状況だったら、迷わずシードを受ける。
山本:もちろん、もちろん。
吉田:ってことですよね。
山本:はい。
吉田:だから、14年かけたのが何だったんだっていうのがさっき思ってた、日本から世界に出てきた「何だこれは」みたいな、そういうカルチャーショックでもあったわけですよね。だから、スピードがめちゃめちゃ速いと。
山本:そうですね。
吉田:ツールがそろってるってところもそうかもしれないですけれども、要するに資金を調達するとかっていうところにしても、もう。
山本:20年進んでるっていわれてますね、資金調達に関して。
吉田:20年かあ。
山本:はい。だから、やっぱり。
吉田:20年か、20年後にいるんだ、ここは。
山本:そうです。資金調達に関してはね。
吉田:日本から。
山本:はい。
吉田:うわっ、それは確かにそうだ。
山本:だからもう完全に全部この売り上げ、この数値の伸びだったらこのぐらいっていうのも全部決まってて。だから、最初に抜けるのがすごい難しくて。
資金調達って、情報が入ったとしてもすぐに追いつけないんですね。なぜかっていうと、資金調達を受けた人が上場させて、独立して、VCになってっていうスパンが何サイクルか繰り返されて今の状況が作られてるので。
吉田:そうかあ。
山本:何か新しい技術が生まれたから、すぐ適用できるっていうんじゃなくて。日本はもう今、第1巡めのサイクルみたいな感じなんですよ。
吉田:ああ。
山本:だから情報は入ってくるけども、日本のVCからしたら、シリコンバレーがなぜこうなってるかっていうのは頭では分かるけど「いや、そうじゃないよね」みたいな感じになって。
吉田:やっぱ、あの。
山本:3サイクルぐらいしてないと、追いつけないんで。このスピードは20年がだんだん、5年後ぐらいには10年とか短くなるとしても、完全に追いついて追い抜くっていうのは。今はこっちの方がスタートアップが生まれて、VCもいっぱい、今でさえこっちがやっぱりすごい日本にアドバンテージがあるんで。
吉田:じゃあ、日本にずうっといて、だらだらと14年とか時間かけてスタートアップしてる日本と、もう始めてからすぐに資金調達してババババババって伸びてくるのと、もう明らかにガラパゴってるのがポンッて外れた瞬間に、スコーンと全部持ってかれちゃうような。
山本:うん、そうですね。本当に徒歩で歩いているのと、高速道路にぴって乗るのと同じぐらい違うんじゃないですかね。進む距離がですね。同じ時間が経ってても。
吉田:じゃあ、日本の中でビジネスしてるっていうのは、相当遅いしチャンスもないですね。
山本:何をするかによって、全然違うかなと思っていて。今の日本はまだVC元年みたいな感じも、本当はもっともちろんあるんですけど。
吉田:いや、VCはだって。
山本:第1巡サイクルなんで。
吉田:知らないですもんね、だって。
山本:そうなんですよね。
吉田:こっちの人は普通にみんな一般の人が知ってるけど、VCを自分が受けれるなんて日本じゃ誰一人思ってないですもんね。
山本:そうですね、少ないですから。第1巡めなんで。逆に投資を受けやすいんです。
吉田:ああ、そうなんだ。
山本:しかも、急にお金がVC側に回ってきたんで。
吉田:ああ、そうか。
山本:国が、大企業からVCにお金が来たんで、VCも扱えないぐらいのお金が集まってきちゃってるんですね。
吉田:ああ、そうか。だって安倍さんがシリコンバレーに来た目的もそうでしたもんね。シリコンバレーみたいな起業家を育てるみたいな。
山本:そうです。
吉田:支援をするとかっていう。
山本:そうです。200社を送り出すとかって言ってますよね。本当は送り出されるような甘い企業じゃなくて、送り出されなくても出てきた企業を応援してくれって僕たちは思ったりするんですけど(笑)。
吉田:そうかあ。
山本:まあまあ、でもそれでもいいかと。日本がスタートアップ支援とかに意識が行くのはいいなと思ってますけど。
吉田:まさしく今、僕たちを含めみんな、VCで起業するということを勉強しなきゃいけないですね。
山本:そうです。
吉田:うまく活用して、上に行くために。そのためにシードとかシリーズAでしたっけ。
山本:A、B、C、はい。
吉田:とかありますけど、A、B、C。だけど僕が思ったのは、その都度その都度ゴールなのかなって思ったんですけど、イメージ的にね。だって、1,000万円もらえた、ラッキー。ラッキーっていうか、もらえたっていう、そういうイメージなんですけど。さっき山本さんがおっしゃった「そこで満足しちゃいけない」と。5億円とかでも満足しちゃいけないと。
山本:5億円もらっても、しかたないですよね。その。
吉田:いや、もう普通の日本人の感覚って、5億円もらったらもう。だって、宝くじ何回分みたいなレベルじゃないですか。
山本:ああ、自分にね。個人に5億円入ってきたら、それはもううれしいですけどね。でも、そういう感じで考えてたら、5億円のエグジットもできないってことなんで。
吉田:そうですね。いや、だから僕は一般庶民の感覚で(笑)。
山本:(笑)いやいや。
吉田:だから、まずアイディアがあって、VCから認められるようなアイディア、これから日本もそうなっていくと。もちろん。
山本:いや、もうなってます。
吉田:なってると。
山本:はい。知らないだけっていうことでね。
吉田:うん、でも。
山本:知らないだけ。
吉田:この20年先の、ここでいてくれた山本さんが、じゃあこれから日本がどういうふうにVCをやっていかれるのかっていうのがもう見えてるってことですよね。
山本:見えてますし、はい。
吉田:もう実際受けてるし。
山本:僕たちはシリコンバレーのVCと日本のVCを回ったんですけど、日本のVCの方が条件いいですもん。
吉田:そうかあ。
山本:2倍ぐらい。日本で言われた僕たちの価値は、こっちで言うたら「あ、ありえん」と。
吉田:へえ。
山本:「シリコンバレーですよね、ここ」っ言ったら、「いやいやいや、君らのステージは、もう雨後のたけのこのように腐るほどいる」と。その中で勝ち上がったら、すっごいお金が入りますよ、何百億円とかね。資金調達してますよね、今。何百億円も資金調達して何に使うんだっていう感じなんですけど、抜けたとこに思いっ切りお金が入るんですよね、シリコンバレーは。抜けるまでがもう。毎年1万社生まれて1万社倒産するぐらいの規模でスタートアップが順繰りしてるんで、小さいとこには本当になかなか厳しいんです。
成長度合いの成長スピードで、「こいつら上場まで行ける」「こいつらはこの成長速度だったら、グーグルとマイクロソフト、Appleとかに売って終わりだな」っていうのが、もう全部指標があるんです。「こいつら上場する」ってなったとこには、みんなもう「乗っからせてくれ」うわあってなって、世界じゅうのお金がシリコンバレーに集まってるんで、そのスタートアップにゴンッて集まると。
日本の場合は、まだ第1巡目なんで、お金がVCにいっぱい入ってきて、その先のここの段階の会社が少ないんで、みんなシードにいっぱいお金を入れたいわけですよね。
吉田:ええーっ。
山本:入れたいけど、シードもある意味大学生の考えるアイディアなんで、まだまだ。
吉田:そっか。
山本:SNSか食べ物系か旅行系か写真系なんですよ。この四つに大体当てはまるんですよ。
吉田:ああ。
山本:で。
吉田:面白くないんだ、だから。
山本:大学生が考えられるっていうことは、やっぱり自分の生活に密着してないと。さっきのカニじゃないですけど、自分が不便に思ってるとかそういう。不便に思ってるレベルが、飲食とか旅行とかレベルなんですよ。
でも、これを見られているような社会人の皆さんとかであれば、もっと問題が見えてるわけじゃないですか。
吉田:見えてる。そう。分かる。うん。
山本:なので、大学生と組むっていうのはいいと思うんですね。
吉田:なるほど。
山本:リソースがあって、お金が要らない、まだね。でも、その彼らの経験ができる。アイディアがあって説得力も出ますよね、VCに対して「私はこういう問題があって」。
今回の、僕が今メンターしているスタートアップも、大学生だけにやらせてるんじゃないんですよ。もう1人来てた女性がもともとのアイディアを持っていて。彼らはとりあえずアプリを作ってたんですよ。でもちょっと考えが似てるアプリだったんですね。こっちはアイディアだけあって、実際そういう会社で問題を感じてて、それに対して改善案はあるけど人手がない。で、僕はくっつけたんです。くっつけてペアでやれと。プレゼンは主であるこの人にやらせなさいと。君らは実働部隊で動きなさい。それでやったことを、みんなはやったことがないから僕が後押しをすると。環境を全部整えて、必要な人、必要な資金とか全部僕が出して、「行け」と。
吉田:ふうん。
山本:そういう立てつけにしてるんですね。だから、大学生と組むっていうのは結構いいです。大学生だけじゃ成功しないし、社会人だけだとうまく行かない。シリコンバレーは学生がいっぱい来るんです、優秀な。エネルギーを持て余してる学生がいっぱいいて。
吉田:あれですよね、だから、僕も学生時代はそうでしたけど、やりたいことが見つかれば何でもできるはずなのにやりたいことが分かんないみたいな。
山本:そうそう。
吉田:(笑)そういう人に社会人とか経験豊富な人が、やりたいことを与えると。「一緒にやろうよ」っていうところでケミストリー、化学反応がゴオッと起きるということですね。そのアイディアが、じゃあまともなのかどうなのかっていうのを山本さんが判断をして。じゃあ行けるんだったら、VCを呼んでシードだと。そっからステージどうのこうのだという話ができると。
それが、ではシリコンバレーでもいいんだけれども、シリコンバレーだとよっぽど「行く」っていうことじゃないと競争が激し過ぎてお金をくれない、入れてもらえない。だからやっぱ日本っていうのが最初、これからVC元年ということで、そこから始めて世界を目指すっていうのが一番良いよと。
山本:そうですね、日本人なので。日本はお金もね、GDPが3位だし、しかもVCはお金が有り余ってるし、投資する先がないし。これを利用しない手はないかな。
吉田:手はない。
山本:ないです。
吉田:ないっすね。
山本:だって、返さなくていいんです。失敗したら、最悪「ごめんちゃい」でいいわけですよ(笑)。
吉田:それが(笑)、それが分かんない人がいると思うんですよ。僕も2、3年前にシリコンバレーでスタートアップをした人がいてそんなことを言ってたんですよ。何億円とかってもらって。でも、そんなのっていいんですか。
山本:VCも、「絶対成功しろよ、おまえ」っていう感じだと、投資できないですよね。だから、何社だったかな、シリーズAでいうと5社から7社のうち1社成功したら元が取れると。だから、シリーズAで5倍から10倍のリターンを見込んでて、そのうち1社が行けば、ペイすると。シードになれば何十社に1社が成功したらペイするんですよね。
VCによっては学生とかとのネットワークとかが強くて、シードのアイディアに想いがある人もいれば、もうちょっと育ってきた所に投資したいという企業的なVCもあれば、もう金はたんまりあるんだと、資産運用会社みたいな所ね。
吉田:うん。
山本:お金は有り余ってるけど、よりリターンを求めたいから上場直前の所に大きなお金を出して、上場したら2倍ぐらいで返ってくるみたいな、VCにもタイプがあって。ここのVCも、今、いっぱいあるんで。
吉田:へえ。もう少しだけ、いいですか。
山本:はい。
吉田:すいません。時間ばっかり取ってもらって、申し訳ないですが。
シードがアイディアの段階じゃないですか。シリーズAって、まずアイディアが形になって、その組み合わせ、マッチングとかができて「シードでどうですか」っていうのを持っていって「じゃあ、出資受けましたよ」と。
じゃあ、そのあとシリーズAに行くまでに何をしたらいいんですか。
山本:ユーザーを増やして。
吉田:ユーザーを増やすか。
山本:きちんと売り上げが立っている、伸びている。
吉田:伸びている。
山本:はい。
吉田:じゃあ、そのプロダクトが駄目だったら、結局それで終わっちゃうわけだし。そこをまず最初の時点で山本さんとスパーリングしながら本当にユーザーが伸びるのかと、プロダクトとしてできるのかっていうのをスパーリングして。で、シードを受けて。そしたらもう行くはずなのでちゃんと頑張ればね。
山本:はい。
吉田:そしたら、ユーザーを増やして、売り上げが立ってる。
山本:立ち始めている。
吉田:でも。
山本:全然赤字だと。
吉田:そうですよね。
山本:まだまだ。
吉田:そうですよね。
山本:どんどん人も入れないといけないし。
吉田:そうですよね。
山本:サーバーも使うし、広告も使うかもしれないです。
吉田:普通だったら、その段階だとお金がもうぎりぎりないと。
山本:はい。
吉田:そしたら従業員とかもう雇えないので、本当に外注さんとかもしくは自分の手で何とか補うっていう発想しか日本人にはないじゃないですか。特に僕たちはほら、ずっと無借金でやってきたから。その時期ってほとんど、僕もそうですけど1人ビジネスで。24時間365日寝ないで、僕は3年ぐらい頑張ったんですよね。
だけど今の話を聞くと、赤字で逆にVCを入れてシリーズAで資金調達をしちゃった方が、すごい楽にっていうわけじゃないですけど、きれいに成長できるなっていう気がするんですよね。
山本:そうですね。「ホッケーカーブ」っていわれるんですけど、普通に自分でやってたら積み上げ、積み上げ、積み上げで、こんな感じですよね。
吉田:そのときに僕は体を壊してたんですよ。で、そのビジネスを続けられなくなりそうになったので、やっぱりそういう危険があるんだなあっていう。一生懸命頑張って、すごいお金持ちになるつもりだったのに、自分の体壊しちゃしょうがないよなあっていうマインドになったんです。
それが、日本人の普通の無借金経営とかビジネスする、銀行からお金を借りるかどうか分かんですけど、普通のマインドだと思うんですけど。それが。
山本:それはもちろんそれで価値観なので、全然ありで。うちも半年前まではずっとそれをやっていくと。でも、僕たちの場合は日本発のプロダクトで世界を取るってなったときに、それでも自己資金で40人以下で世界を取ってやるっていう想いで来たんですけど。
吉田:いや、僕ね、でもね。
山本:はい。
吉田:その話を聞いて、やっぱりナンセンスだなって、何か。
山本:(笑)。
吉田:ふんふん。
山本:そうそう、ナンセンスなんですよ。
吉田:ナンセンスですよね。
山本:ナンセンスなところで、それで世界取れたら、誰も文句言えないなと思ったんです、僕は。で、とことん経費も削減して、チームも効率化して、マーケティングを徹底的に考えてやったからこそ超細マッチョな体質の会社になったんで。そこに、一気にガソリン注入したらどうなるかって、めっちゃ速く走れるんじゃないかっていうところで今回思いっ切り突っ込むことにしたんですけど。
「ホッケーカーブ」っていわれてて、1回沈み込んで、ウィーンっていうのをVCは期待してるんで。ここを期待してるんで。ウィーンって行って、落ちたらそれでいいって思ってるんですよね。もちろんお金とか突っ込んでるんで、頑張ってほしいとは思ってもらってますけども、見込みがない物で無理やり「やれ」って言われても、市場がなかったりとか、できないチームに「やれ」って言ったってしかたがないんで。彼らもそこは分かったうえで投資してるので。
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エグゼクティブクラブ編集部
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