学校じゃ教えてくれない「MBA流交渉術」


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こんにちは!eBayと独自ドメインで輸出頑張り中の板垣です。

家族の夏休みに、広島県と四国を結ぶ「しまなみ海道」の途中、大山祇神社(おおやまずみじんじゃ)を訪れました。

神社の裏手を上ると「生樹の御門(いききのごもん)」という樹齢三千年の楠があり、木の根元が二股に分かれて門になっているのです。

つたが巻き付いて苔が生え、大地や周りの生命体と一体化していて、どこまでが樹なのかわからないほど。

苗の頃は細い幹と少しの枝と葉っぱ、とってもシンプルな構造だったはず。太く長く生き抜くために、いかに他の力を借りて調和しながら成長してきたのか、大自然の力に圧倒されました。

自然も、人も、ビジネスも、「個」には限界があり、成長過程において良き「他」を見つけていかにうまく関わり合えるかが大切なんだなぁと改めて感じました。

と、前置きが長くなりましたが、ビジネスにおいて「他」は常に協力的な場合だけではなく、敵対的な場合、また協力的になるまでに時間や経験が必要な場合もあります。

今回は、ビジネスをするにおいて避けて通れない「交渉」について、私の元イギリス人上司から学んだ、MBAで教える誰でもすぐに使える交渉術、題して「MBA流交渉術」をまとめました!

 

あなたは普段「交渉」をしていますか?

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「交渉術」と聞いて、どのように感じられましたか?

「自分の今の仕事には交渉なんて必要ないよ」、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

個人事業で一人で全てこなせてしまっている、そして仕入れも発送もオンラインで完結しているような場合、「交渉」とは無縁なように思えるかもしれません。

しかし今後、あなたのビジネスを拡大させたいと思うなら、「外注先」「仕入れ先」「お客様」時には「従業員」などと、様々な取り決めをしたり問題を解決する必要が多かれ少なかれ出てくるでしょう。

あなたが「交渉術」を持たないままで話を進めると、場合によっては大きな損失を出してしまうこともあるかもしれません。

特に相手が海外の方の場合、相手は「交渉術」をもって交渉に臨んでくる可能性が高いのです。

 

日本人は交渉が下手?

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よく日本人は交渉が下手だといわれますが、あなたは自分の交渉力に自信がありますか?

私はECに事業をシフトする前は、クライアント企業に代わって海外からの引き合い対応、契約締結などを代行するサービスを提供していました。

引き合いに対して見積もりを出して、そのまま発注に至るケースも少なくはありませんでした。

しかし時には金額が大きくて、複数の取引条件についての交渉が必要であったり、トラブル時にはクライアント企業の損失を最小限に抑えるための交渉が必要だったりしました。

その交渉相手が日本人である場合もありましたが、決して日本人が交渉にたけているとは言えないと感じました。

大きな理由については「商習慣」と「基礎知識」ではないかと推測しました。

私自身も元々ベンチャー企業など小規模の会社で「商談」を含め、様々な業務を担当していたのですが、「交渉」ということについて体系的に考えたことはありませんでした。

そんな私が、交渉負けすることなく、数々の顧客との契約にこぎつけられたのは、元上司であるイギリス人マネージャーから学んだ「MBA流交渉術」があったからです。

MBA(経営学修士)コースでの「交渉術」の初歩的な部分を簡潔にまとめてくれたものでした。

まず、海外では「交渉術」について学校で教えてくれるんだ!ということに驚きました。

そして、その内容が非常にシンプルで、一度聞くとすぐに理解できるものであることに、更に驚きました。

海外のビジネスマンたちは、こんな知識を標準装備して国際ビジネスの舞台に出てきているんだから、「義理」と「人情」の日本人が交渉負けするのも無理はないな、と思ったのです。

では、具体的な交渉の場面を想定して、「交渉術」についてみてみましょう。

 

具体的な交渉ケース

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では、具体的な交渉について、シンプルな例を挙げてみましょう。

<例>
AさんとBさんが上司の指示で、オリジナル商品製造についてメーカーを見つけることになりました。

指示内容は下記のとおりです。

・会社でオリジナルiPhoneケース製造をする。
・ブランディングのために会社のロゴと同じピンクで製作することが絶対条件。
・単価が少し上がっても良いのでまず100個くらいで試したい。
・次の年末商戦までに販売したい。
・ハードケースなら材質は問わない。

では、Aさんの話の進め方を見てみましょう。

Aさん:
「年末商戦に向けて、オリジナルiPhoneケースを作りたいんですよね。
どうしても会社ロゴと同じこのピンクで、
できれば100個くらいから作ってくれるところを探してるんですが・・」

メーカー:
「このピンクはなかなか珍しい色ですね~。
100個だとかなり単価は上がって、1個350円くらいになってしまうのですが。
特殊な色ですしね。500個ご注文いただければ200~250円くらいで対応できるか・・
あまり単価安い仕事取ると上司に怒られるんですが。
ぅぅん・・一度上司に相談してみます!」

Aさん:
「助かります!では、500個ということで、何とかお値段の方、お願いいたします!」

悪くはなさそうですよね。
重要な要件をきちんと伝えて、メーカー担当者も親身になって対応してくれて、うまく話がまとまるかもしれません。

ただ、こんな風に話を進めると、最終的にWin-Winに思える交渉も、実は大損をしているかもしれないのです!

ではここで、交渉経験の乏しい私でもすぐに実践できた「MBA流交渉術」を使ってみましょう!

 

「MBA流交渉術」の流れ

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「MBA流交渉術」についての流れ、順番はこうです。

[1]. 自分の欲しい条件(カード)をリストアップし、優先順位をつける
[2]. 相手の欲しい条件(カード)をヒアリングし、優先準備をつける
[3]. 自分の欲しいものと引き換えに、相手の欲しいものを譲る

これだけです(笑)

ここで何より重要なのが「順番」です。
・確実に自分のカードが何かを把握する
・決して、相手のカードを知る前に交渉を始めてはいけない
・決して相手の条件をのんでから、自分の欲しい条件について打診しない

これさえ守れば、交渉に負けることはなく、さらにWin-Winの状態を作れるのです。

 

[1]. 自分の条件(カード)をリストアップし、優先順位をつける

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Bさんは「MBA流交渉術」の流れに沿って、まず自分の条件の優先順位をつけます。

1. 色 :会社ロゴのと同じピンクで!
2. ロット :少ロット。できれば100個。
3. 単価 :150円希望だが少ロットなら200円くらいまでOK
4. 納期 :年末商戦に間に合えば良いので、さほど急がない。
5. 材質 :ハードケースなら何でもOK

必要な条件については、漏れのないようにリストアップしてください。

ここで漏れがあった場合、後で不利益を招く場合があるからです。

全ての交渉が終わった後で「支払い方法が・・・」なんていう事態になると、それと引き換えに何か条件をのまざるを得ない状況を招くことも考えられます。

 

[2]. 相手の条件(カード)をヒアリングし、優先準備をつける

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先のAさんの場合は、優先順位の高い要望(重要なカード)を先に伝えてしまっています。

「MBA流交渉術」のポイントは違います。
・相手の条件をすべて知るまでは、こちらの条件の開示はしない。
・開示が必要であっても優先順位の低いものから最小限にする。

では、Bさんの話の進め方はいかがでしょう?

Bさん:
「オリジナルのiPhoneケースを作ってるれるところを探しているのですが、
御社のラインナップは豊富ですね~。
他社と比べてどのような特徴があるのですか?」

メーカー:
「最近、ケースに立体的な印刷をする機械を導入しまして、
同じ金型を使ってどんな色も出せるし
色んな模様やロゴに対応できるようになりました。

それで、かなりロットを抑えられるようになったんです。
ただ、そのせいでかなり忙しくてね、
納期に関しては申し訳ないのですが3か月以上お待ちいただいています。」

Bさん:
「印刷で対応できるならコストも下がりますよね?単価はいくらくらいですか?
ケース本体の色はあまり選べないのですか?」

メーカー:
「10個くらいからご注文いただくこともありますよ!
その場合は500円くらいまで上がりますが。

100個単位ならだいたい300円で対応できます。

1000個以上の量産は型を作るので、デザインによりますが100円切りますよ。

ケース本体は、うちはシリコンカバーなんかに弱いんですよね。
ハードケースであれば色のバリエーションは色々あります。」

ここで、相手の条件がだいたい出そろったので優先順位を整理します。
自分の優先順位と大きく違いますね。

1. 納期 :注文が立て込んでいて、3か月はかかる。
2. 材質 :ハードケースなら何でもOK。ソフトは無理
3. 色 :ケース本体は多くの色から選択可能。立体印刷は好きな色を出せる。
4. 単価 :100個注文で300円。
5. ロット:10個~注文可能

では、交渉条件を並べて比較してみましょう。

 

条件 自分の順位 相手の順位
1.ロゴのピンク 3.好きな色で印刷
ロット 2.100個 5.10個~
単価 3.150~200 4.300円/100個
納期 4.年末まで7ヵ月 1.3ヵ月
材質 5.ハード 2.ハード

 

[3]. 自分の欲しいものと引き換えに、相手の欲しいものを譲る。

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いよいよ交渉に入ります。

「自分の欲しいもの」とをのむことを条件に「相手の欲しいもの」を検討する、という順番です。

下記は、交渉する順番(カードの切り方)の一例なので、あなたが思うのと違っても気にしないでくださいね。

Bさんの一番欲しい「ロゴと同じ色」は既に「どんな色も出せる」と言っているので、ちょっと後回しにしましょう。

2番目に欲しい「ロット100個」と3番目に欲しい「単価150~200円」を勝ち取るために、相手の一番欲しい「納期」を譲る交渉をしましょう。

 

条件 自分の順位 相手の順位
1.ロゴのピンク 3.好きな色で印刷
ロット 2.100個 5.10個~
単価 3.150~200 4.300円/100個
納期 4.年末まで7ヵ月 1.3ヵ月
材質 5.ハード 2.ハード

 

「注文数100個で単価200円を切っていただければ、納期については3か月から4か月待つことを検討しますがいかがでしょう。」

相手にとっても、一番気になっていた納期についてクリアになったのでWinな気分になって、単価について譲歩してくれる可能性は高いでしょう。

間違ってはいけないのは、順番です。
「○○をのんでくれたら、××を検討します」

決して「何も得ないのに、与えない」でください。

Aさんの「500個ということで、何とかお値段の方、お願いいたします」のように、相手の条件だけをのんでしまって、自分の欲しい条件を相手に委ねることはしてはいけません。

ロット、単価、納期についての交渉が成立したとして、次に、こちらの1番欲しい「色」を確実に保証させて、相手の2番目に欲しい「材質」をゆずりましょう。

 

条件 自分の順位 相手の順位
1.ロゴのピンク 3.好きな色で印刷
ロット 2.100個 5.10個~
単価 3.150~200 4.300円/100個
納期 4.年末まで7ヵ月 1.3ヵ月
材質 5.ハード 2.ハード

 

「弊社のロゴの色であるこのピンクを確実に立体印刷で出してもらえるなら、材質についてはハードでも結構です。」

相手にとっては、得意分野の色と引き換えに弱みであった材質について譲歩してもらえてラッキーと思っているかもしれません。

これで、すべての交渉条件についてクリアになりました。

「あなたにとって重要な条件」をのませることと引き換えに
「相手にとって重要・かつあなたにとって重要でない条件」を検討する。

こうして、「あなたにとって重要なもの」から順番に勝ち取っていくのです。

 

まとめ

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「何だ、こんな簡単なことか!」と思われたかもしれません。

本当に簡単で誰でもすぐに使える技なんです。

とても大切で、そしてこれに尽きるので、もう一度おさらいします。

[1]. 自分の欲しい条件(カード)をリストアップし、優先順位をつける
[2]. 相手の欲しい条件(カード)をヒアリングし、優先準備をつける
[3]. 自分の欲しいものと引き換えに、相手の欲しいものを譲る

今回はかなり簡単な例を挙げましたが、実際の交渉になると、交渉条件も増えますし、各条件がより複雑に関連しあっている場合もあるでしょう。

もしくは逆に、お客様のクレーム対応など、条件が2~3個の場合もありますよね。

どんなケースにおいても、[1]から[3]の順番とルールさえ守れば交渉に負ける確率はぐんと下がります。

そして、相手の欲しいものについて譲歩しているので、よりWin-Winな話し合いになるのではないでしょうか?

あなたのビジネスや私生活においても「MBA流交渉術」を使える場面がないでしょうか?

そういえば、4歳になった私の次女が最近よく交渉をしてきます。
2、3日前にも言われました。

「お母さん、お買い物ごっこのお客さんやって。パソコンしながらでいいから。」

あなたも、気づかないところで「MBA流交渉術」を使われているかもしれませんよ!

では、残暑厳しいですが頑張っていきましょう~!


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エグゼクティブクラブ編集部

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【エグゼクティブクラブ】
2007年7月創設。9年以上に及ぶ実績を元に多数の成功者を輩出。14,000件以上に及ぶメール相談実績、2,700有余名以上の歴代会員サポート実績、 マニュアル・コンテンツ総数3300ページ以上、10名以上の講師陣によるサポート体制。業界最大級の海外販売・個人輸出の会として現在も成長を続けている。